パスは多く回した方がいい?

西カンファレンスファイナル第5戦「ロケッツ対ウォリアーズ」観ました。観ていると両チーム共オフェンスでアイソレーションが多いように思います。

アイソレーションと聞くとあまりいい印象はないかと思います。みなさん感覚的にパスを多く回してフリーの選手にシュートを打たせるオフェンスがいいと感じているのではないでしょうか。ですが現実的にはプレーオフなど重圧のかかった試合ではアイソレーションを選択する回数が多くなります。

ディフェンスがそうなるように追い込んでいることも影響していますが、もうひとつの理由としてパスの回数が多いほどターンオーバーが増えるからです。これはバスケだけでなくサッカーも同じことが言えます。名古屋グランパスの風間監督は「パスが増えるほどミスは多くなる」と考え、最小限のパスでゴールに迫ることを重要視しています。

プレーオフのようにワンポゼッションが重要な試合では、アイソレーションを増やしてターンオーバーを減らしてきます。レギュラーシーズンでも試合終盤だとアイソレーションは増えます。

ロケッツはハーデン、ウォリアーズはデュラント、キャブスはレブロン。いわゆる “クローザー” と呼ばれるプレーヤーにボールを託し、圧倒的なオフェンス力で得点を取りにきます。

おそらく戦術という観点で言えばユーロリーグの方が優れていると思います。ウエストブルックもそう言ってました。もちろんNBAのアイソレーションも、スクリーンを多用して徹底的に相手ディフェンスの一番弱い選手を狙ってくるなど戦術は優れています。ボールを持っているプレーヤー以外も素晴らしいスペーシングをしていて、ヘルプしずらい状況を生み出しています。

ヨーロッパのバスケは多くのプレーヤーがボールを触れるようにパスを回します。ウエストブルックも以前「戦術面ではユーロリーグの方が優れている」と発言していました。ではなぜNBAはアイソレーションを好んで多く使うのでしょうか?

それは個のオフェンス力が圧倒的だからです。複雑なチームオフェンスを展開してパスが多くなりミスが増えるより、頼れるスコアラーにボールを託して得点を取りに行く方が得点確率の高いプレーだと考えています。

先日ハンドボールのトレーナーをしている上司とハンドボールについて話していました。私はヨーロッパはハンドボールが強いと知っていたので上司に「戦術は日本よりヨーロッパの方が優れていますよね?」と聞いたら「いや、日本の方が優れているよ」と言っていました。

ヨーロッパは圧倒的な個の力があるのでプレーはシンプルだそうです。日本は個の力が劣るので優れた戦術でカバーしているそうです。これはバスケでも同じことが起きていると思いました。

試合序盤はリズムの良いパスを中心としたオフェンスを展開しやすいです。しかし勝負のかかった試合終盤は重い展開になり、序盤と同じようにパスを回せなくなります。その時安心してボールを託せるプレーヤーがいるといないでは雲泥の差です。

試合終盤で活躍できるプレーヤーを目指して、1対1のスキルを磨きましょう。