フロアは強く蹴らない

爆発的なスピードで動こうとする時、多くの場合フロアを強く蹴ることをイメージすると思います。例えば、ドライブでディフェンスを抜く時です。

フロアを強く蹴ることで床からの反力をもらって、身体の進行方向への推進力を得られます。

ただしこのフロアを強く蹴る方法にはいくつか問題があります。

  • 動作が遅くなる(読まれやすい)

床を強く蹴るためには、一度蹴る足に体重を乗せなければなりません。前方に行くには、一度後脚に体重を戻して床を蹴って前方に行くので動作が遅くなります。

  • 滑るフロア環境でプレーしずらい

床を蹴る時には高い摩擦係数が必要なので、ズルズルの床だと滑って転んでしまいます。プロであれば毎回良いフロア環境でプレーできると思いますが、社会人バスケでは悪いフロア環境でプレーすることは当たり前です。なので、できるだけ摩擦を利用しない動き方の習得が重要です。

  • アキレス腱に負担がかかる

床を蹴る動作では特にアキレス腱に負荷がかかります。何度も繰り返しているとアキレス腱に炎症が起こります。30代以降だとアキレス腱断裂のリスクもあります。

 

ではフロアを強く蹴らずに速く動くためにはどうすれば良いか?

それを解説していきたいと思います。次の画像をご覧ください。

 

 

 

これはマイケル・ジョーダンのドライブ時の姿勢です。

今回注目すべきポイントは、上体が大きく前方へ傾いているところです。

フロアを強く蹴らずに前方へ速く動くためには、上体を前に大きく傾ける必要があります。

人間は前方に体が傾いて倒れそうになると、転ばないように反射的に足を前方へ踏み出すようにできています。

これを専門用語で ”ステッピング反応” と言います。

 

つまり、前方へ動き出すために後脚でフロアを蹴って前方への推進力を生み出すのではなく、前方へ上体を倒すことによって自然と足が出るようにする。

こうすることによって、蹴る力を最小限に抑えることができます。加えて反射的な動きなので、動作スピードは必然的に速くなります。

イメージとしては、陸上短距離のクラウチングスタートでしょうか。クラウチングスタートは転びそうになる力を利用しながらスピードを上げていく方法です。

 

そして上体を前方に傾けるという動きは、股関節を曲げることで可能となります。

股関節を曲げることで、上体が床と平行に近くなります。そうなると、前述した通り転びそうになるので自然と脚が出てくるようになります。

日本人はこの股関節の動きが悪く、体を前傾姿勢にすることができていない場合が多いです。

 

まとめると、ドライブを仕掛ける時はまず上体を前方に傾けて(前傾姿勢をとる)ディフェンスの脇に体を入れます。そうすると、転びそうになるので脚が自然と出てきます。

転びそうになる時にでる一歩は反射的な動きなので意識的にする動きよりも速いものになります。

熱いやかんを触った時に、手を引っ込めますよね。あの動きと基本的に同類の動きです。意識的にできる動作より速くなるように人間の体はできています。

 

以上の方法をとると ”フロアを強く蹴る” ことなく、相手に読まれずらい速い動き出しができるようになります。

ぜひ一度試されてみてください。